指導の場面で使える4つのテクニック 〜その1〜
今回は話しているときに使えるテクニックを紹介します。
小手先のテクニックと言われれば、それだけですが、知っているのと知らないのとでは雲泥の差なので、知って活用できるといいでしょう。
いろいろなところで話題に挙がっているので、既にご存知の方も多いでしょう。
1.Iメッセージ(アイ・メッセージ)
こちらは、英語の「“I”(私は)」のメッセージです。
どういうことかというと、
「あなたはダメな子!」
「あなたはえらい!」
などの、あなた(“you”)を主語としたメッセージではなく、
「わたし(先生)は悲しい」
「わたしはうれしい」
などのわたしを主語としたメッセージを使いましょうというものです。
肯定的なメッセージの場合は、相手に悪い気を与えませんが、否定的なメッセージの場合は、相手を傷つけてしまいます。
自尊感情の低下にも繋がるので、Iメッセージを用いるようにして、あくまで「わたしはこう感じているよ」というメッセージを使っていきましょう。
2.バックトラッキング
「オウム返し」と呼ばれるテクニックです。
相手が言った言葉を用いて、相槌がてら返します。
例えば、
「この間、Bくんに〜をされて嫌だったんだ」
という話を受けたとします。
その際に、
「Bくんに〜されたのは嫌だね」
などと、相手が使った言葉を用いながら、返答していきます。
これは、相手が「ちゃんと話を聞いてくれている」と思ってくれ、聞き手のことを信頼してくれるようになります。
あまりにワンパターンで返していると、逆に「大丈夫かな」と疑念を抱かせてしまうので、様子を見ながら盛り込んでいくといいでしょう。
3.言葉の端に気をつける
テクニック名がなくて申し訳ないですが、本心が出てしまう言葉の端に気をつけることも非常に大切です。
たった数文字ですが、非常に重要です。
例えば、返事をするときに、歯切れよく
「はい!」
と返事するのと、
「はいはい」
と流しながら返事をしてしまうのでは、印象が違いますよね。もちろん言葉以外の表情や声のトーンなどの要素も含まれますが、他にも
「やっぱりあなただったのね」
と
「え?あなただったのね」
では、違いますよね。
特に指導する場面では、こうした言葉の端っこがつい出てしまう場面があります。
そうすると一気に信頼関係が崩れてしまうこともあるので、使う言葉には気をつけましょう。
(そもそも本心から、ネガティブな感情を抱かないようにすることがベストではありますが…)
4.相手の目を見て、ゆっくり頷く
こうすれば言葉を使わずとも、仕草で相手に許可を与えることばできます。
自信なさげで子どもが振り返ってきたときに、ああだこうだというのではなく、落ち着いた表情でゆっくりと頷いてあげる、それだけで相手をリラックスさせることができます。
こちらが浮ついてしまっては、相手も浮ついてしまいます。
スポーツの指導の場面でも、ベンチを見てきたときに、選手の目を見て、ゆっくり頷いてあげることで、自信を取り戻すこともできるかもしれません。
半端ですが、指導する上で使えるテクニック4つを紹介しました。
また、追って紹介していきたいと思います。
声の出し方を練習する
前回が「話し方を学ぶ」だったので、関連して声の出し方の練習についてです。
いい話し方を知ると、自然と意識していくことかと思いますが、アナウンサーや噺家などの、「しゃべり」を商売にしている人たちは、そもそもの声の出し方についても練習をしています。
発声練習
運動部で声を出していた人や演劇などで練習していた人は既に上手かもしれませんが、声の出し方自体について練習するといいです。
私も中学のときに、演劇部の友人に「腹式呼吸」の練習をさせられ、そこから発声が変わったように感じます。
部活動で声出しをしても、大きく力強い声が出ますし、現在も子どもたちに向けて話すときも、大きな声を出さずとも力強く話すことができます。
特に女性の中では声が通らない方や大きな声を出すとすぐに喉を潰してしまう方もいらっしゃると思うので、腹式呼吸を身に着けておくといいでしょう。
早口言葉
楽しく声を出す練習をするのであれば、こちらもおすすめです。
練習するうちに得意な行や段が出てくるかと思いますし、早く話すことも上手になるので、結果的に緩急をつけた話し方の習得にも繋がります。
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ドリフターズの「ドリフの早口ことば」であれば、楽しく歌いながら練習もすることができます。
滑舌練習
やはり滑舌がいい方が、話を聞き取りやすいですよね。
滑舌が悪いと諸見里さんみたいになってしまいます。
これらの練習をすることで、自分の言葉一音一音が、はっきりと明確に出せるようになることがわかります。
他の声質などと組み合わせれば、相手にとって非常に聞き取りやすい話し方をすることができます。
指導者にとっては、話し方は命です。
相手が聞き取りづらい話し方をしていると、それだけで指導者として不利になります。
「話し方なんか関係ない!指導の中身勝負でしょ!」と意気込んでもいいですが、練習することで、少なくとも今の話し方を改善して、聞き取りやすい・相手に受け入れられやすい話し方をすることができるので、練習しない手はないです。
また、1日何十分も何時間も練習するのではなく、空いた時間に少しやり、それを続けるだけでもかなり違います。
お風呂や歯磨き後、電子レンジで温め終わるまでの待ち時間などのスキマ時間で十分です。
ワンランク上の指導者を目指す方は、ぜひやってみましょう。
人を惹きつける話し方を学ぶ
何かを教える仕事につく上で、「しゃべり」は外せないですよね。
人を惹きつける話し方ができれば、それだけで武器になります。
今回は「話し方の学び」ができるように内容を取り上げていきます。
1.話し方とは
話し方には、まず大きく3つの要素に分かれます。
・聴覚的要素
・視覚的要素(ジェスチャー・表情など)
・内容(話の内容)
なんとなく分かるかもしれませんが、念のため、一つずつ解説を入れましょう。
ー聴覚的要素
話し方の主たる部分になるかと思います。
こちらは「声」そのもの。
もう少し分解して考えると、
・大きさ(大⇔小)
・スピード(速⇔遅)
・高さ(高⇔低)
これらを組み合わせて、発声されて相手に届きます。
大きく高い声で、さらに早口で「ダメだよ!」と言うのと、
低く小さい声で、さらにゆっくりと「ダメだよ!」と言うのとでは、
相手に与える印象が変わってくるかと思います。
また、上記3つ以外にも、抑揚・声質などの要素もありますが、まずは基本の3つを押さえておきましょう。
ー視覚的要素
目から入ってくる情報のことで、表情やジェスチャーなどがあります。
聴覚的要素でもとりあげた「ダメだよ!」というセリフも
しかめっ面で言うのと、
ニコニコ笑顔で言うのとでは印象が変わりますね。
また、せわしなく手を動かしているのと、
落ち着いて大きく手を動かしているのとでも相手に与える印象が大きく変わります。
ー内容(話の内容)
こちらは書いてあるとおり、「何を話しているか」です。
正直、上の2つがしっかりしていれば、こちらが伴っていなくとも、なんとなく相手に「なるほど」と思わせることができますが、やはり本物のプロを目指す以上は内容も伴い、良い話し方をしていきたいものですね。
2.人を惹きつける話し方を学ぶ
今回のテーマは「話し方を学ぶ」なので、どのように学んでいくかを示していきましょう。今回は聴覚的要素にフォーカスして取り上げます。
まず、聴覚的要素に関しては、こちらのTEDの動画がおすすめです。
ジュリアン・トレジャー:
話の内容にも触れていますが、「声の出し方」について、圧倒的に学べます。
もう一つ、惹きつけ方については、こちらの動画もおすすめ。
同じくTEDからです。
この2つから学び、話し方を変えるだけで、グッと変化が起こります。
こちらは話し方の基本なので、絶対に見ておきましょう。
他に何から学ぶかというと、
「お笑い」
がおすすめです。特に漫才や落語など、「話芸」と呼ばれる領域を見るといいでしょう。最近は芸人の公式Youtubeチャンネルもできているので、楽しみながら学べます。
また、同じくYoutubeからであれば、プレゼン系の動画からも学べます。
力強く聞きやすい話し方は、
がおすすめです。
また、話し方が昔から変化しているという点では、
もおすすめです。以前のものは、少し聞きづらい話し方でしたが、現在はだいぶ話しやすくなりました。この変化を比べると話し方の大切さがよく分かるかと思います。今の話し方も柔らかくて非常にききやすいですよね。
上記2点は、個人的なおすすめなので、みなさんに合った動画を見つけてみましょう。
他にもラジオ・Podcastなどもおすすめです。
こうしたツールを使い、どのように話すかということにたくさん触れると話し方が上達していきます。
もちろん、練習も必要ですが、今まで話し方について学んだことがなかった方は、インプットしてみましょう。